一般質問会議録集
平成30年 3月 定例会 - 03月08日-一般質問-03号
P.82
◆29番(深山孝議員) おはようございます。29番、深山孝でございます。通告順に従いまして、市政に対する一般質問をさせていただきます。
2月5日、行政視察で漫画家の石ノ森章太郎の全面的な協力を得てシティセールスを行っている石巻市に行ってまいりました。視察では、震災復興の取り組みと防災減災対策についても併せて聞いてきました。ホームページから引用いたします。宮城県登米市中田町出身の石ノ森先生と石巻とのつながりは、1995年7月に、当時の石巻市長との対談から始まりました。話の中で、シャッター街となった石巻の中心市街地ににぎわいをもたらし、さまざまな情報を発信していくことを目的として、石ノ森先生とゆかりのある中瀬に漫画ミュージアムを建設する話が持ち上がり、それをもとに石ノ森萬画館を建設する構想、マンガランド構想が誕生いたしました。中学生時代、石ノ森先生は、現在萬画館が建つ宮城県石巻市中瀬地区にあった映画館岡田劇場に自転車で3時間ほどかけて映画を見に来ていたと言われています。中瀬地区は、北上川の中瀬に浮かぶ島のような地形で、さながらニューヨークのマンハッタンのようでもあります。石ノ森先生は、ここをマンガッタンと名付け、マンガランド構想を企画提案されました。丸いフォルムが愛らしい建物は、漫画の星からやってきた宇宙船をイメージしており、マンハッタンが情報発信基地と言われているように、マンガッタンがこの21世紀に漫画文化を伝え続けています。石巻の商店街も今は仮面ライダーやロボコン像の建つ風景が当たり前に見えるようになりました。配布資料をご覧いただきたいと思います。
漫画でまちを元気に、人を幸せにしたいという思いが根づいた地域との説明がありました。震災復興の取り組みと防災減災について申し上げます。畠山市長も岩手県の被災地に心を砕かれているお一人ですが、上尾市では災害が少なく、いまだかつて大規模な地震災害を経験したことない地域で、災害に対する実感が湧きません。
視察した石巻市は、東日本大震災で大きな被害を受けた自治体です。役所の職員も不眠不休で刻々と変化する状況に、その対応に追われ、疲労こんぱいだった当時のことがよく分かりました。災害から7年がたち、ニュースでも被災地の様子が知らされます。石巻市の大川小学校では、避難所になっておりましたが、津波が襲ってまいりました。児童74人、教職員10名が死亡、行方不明であります。映画を見ながら、当時指揮をされた、担当された職員さんよりお話を伺うことができました。地震発生時刻、平成23年3月11日、今から7年前です。規模、マグニチュード9.0、震度最大6強、継続時間190秒、地震後1時間で波が襲ってきた。防災で想定をはるかに超える被害に対応に苦慮しました。
初動期、反省点として状況把握の困難さ、不十分な意思決定、応急期の反省点として役割遂行の困難、共倒れ状態、通信手段の確保が重要だということでした。衛星電話の存在が大きかったようです。地域防災計画の問題点、被害想定はあったものの、被害に結びついていなかった。死亡者想定が最大76人だったが、実際の死亡者、行方不明者は3,600人を超えていたために、ご遺体確認、埋葬する作業だけでも混乱し、自衛隊の皆さんやボランティアの皆さんの存在が大きかったこと、後にPTSD、心的外傷後ストレス障害に罹患された方が多かったとのことです。一部のメディアが支援物資が被災地で配られていなかったり、粗末に扱われているなどと報道されておりましたが、交通インフラが寸断され、配りたくても配れない現状があり、支援物資は配ることができた場所で消費してもらうことがベストの選択ということも分かりました。自衛隊が塩水を真水にできる装備で海水を淡水化したものの、保健所の指導によって利用することができなかった。法整備が必要であるということです。
また、避難場所によってリーダーの存在有無によって、市民生活のクオリティーに雲泥の差が生じる。防災士の育成を積極的に行うべきであると担当者の方が力説をしていたのを思い出します。想定できない災害が発生した場合は、過去に災害のあった自治体の助けが重要になる。災害が発生するとマニュアルはあっても実際に行動できないことが多いこと、私は実際に災害現場で指揮に当たった職員さんに話を聞き、衝撃的でした。瞬時に判断をし、行動に移すことは難しいことですが、困難が生じたときこそリーダーに求められるミッションであることが分かりました。死者が出ている大災害によって生じている困難と、不祥事による困難を同列に考えることはできませんが、今まさに苦難に直面し、日々不眠不休で上尾市のかじ取りを行っている畠山市長にエールを贈り、質問に入ります。
大項目1点目の質問、上平地区のまちづくりは、平成12年に策定された都市計画マスタープランを見ますと、地区を上平第一、第二、第三の3地区に分け、都市基盤整備を進める計画となっております。その中で上平第三地区は、既に土地区画整理事業による換地処分がなされ、基盤整備は終了しております。上平第一、第二地区は、平成23年に策定された最新の都市計画マスタープランにおいて、新たにまちづくり推進地区に位置付けられています。これは、これまでのような面的な土地区画整理事業にとらわれず、街づくり推進条例を活用した住民主体のまちづくり活動を推進し、地区住民の意見を反映した地区計画など策定を検討するなど、優先的にまちづくり活動の支援を行う地域であるとのことであります。
上平第二地区では、既に街づくり推進条例に基づく街づくり協議会を設立し、新たなまちづくりに取り組んでいると聞いております。そこで、上平第二地区の街づくり協議会の取り組み状況及び都市基盤整備について何点かお伺いいたします。
1点目、上平第二地区の街づくり協議会の活動状況、まちづくりの方針、今後の予定などについてお答えください。
2点目ですが、まちづくりには社会資本整備、いわゆる道路、下水道、公園などの整備が必要不可欠ですが、まちづくり活動と併せて順次下水道が整備されていると聞いております。上平地区での下水道整備状況並びに市街化区域に隣接している地域の下水道整備についてお答えください。
大きな項目2点目、広報について。先日、羽生市に住む友人から「広報はにゅう」が2018年全国広報コンクールの県審査で特選に選ばれた聞き、どのような誌面になっているのか気になり、現物をいただいてまいりました。ご覧いただきたいと思います。「広報はにゅう」の誌面は、全ページフルカラーで文字も見やすく、明るい印象でしたが、何よりも目を引いたのは、市政情報以外にも多くの特集やトピックスが掲載され、読んでみたいと思わせる魅力的な内容であることが印象的でした。県内では三芳町の「広報みよし」も広報コンクール入賞の常連ですが、共通しているのは市の広報誌であることにとらわれず、目を引く誌面と読んでも楽しい内容が掲載され、タウン誌のように読者に手にとってもらえるような工夫がなされていることだと思います。広報誌は上尾市報発行規則にもあるように、市の予算や決算、財政事情などさまざまな市政情報を一市民に知らせる重要な役割を果たしておりますが、同時に、市の顔として上尾市が魅力あるまちであることを多くの人に伝える役割も果たさなければならないと考えています。
本年、上尾市は、市制施行60周年を迎えます。現在、「広報あげお」は表紙と裏表紙がカラーで、中身は2色刷りとなっておりますが、フルカラー化も含めより魅力ある広報誌へとイメージチェンジする絶好のタイミングではないでしょうか。そこで、広報誌について何点か質問いたします。
まず1点目は、以前「広報あげお」はA3判に近い大きさのタブロイド判だったと記憶していますが、現在のA4判に変わった経緯をお答えください。
続いて2点目は、今までの誌面刷新へ向けた取り組み状況と今後誌面を刷新する予定があるのかをお答えください。
続いて、シティセールスについてお伺いいたします。先ほどもお話しした羽生市では、パリ万博で日本文化を紹介した商人清水卯三郎の出身地であることから、プレゼンテーションを一つのキーワードに幾つか施策を展開しています。資料をご覧ください。中でも特徴のある事業として、小・中学生がプレゼンテーション能力を競う全国プレゼンテーションコンクールin羽生を開催し、市が持つ材料を最大限に生かしてシティセールスへと結びつけています。また、全国的にも有名になったムジナもんとそのファミリーを前面に出したPR冊子を作成するなど、さまざまな切り口から市の魅力を全国に発信しています。ますます激しくなる都市間競争を生き抜くには、このような取り組みが今後さらに重要になってくると考えます。そこで、シティセールスについて何点かお伺いいたします。
まず1点目、上尾市のシティセールスについて、今までの取り組み状況と今後の予定をお答えください。
続いて2点目、羽生市のような郷土愛を醸成する市の魅力を発信できるようなイベントを開催する予定や考えはあるのかをお答えください。
大きな項目3点目の質問、安心・安全についてであります。上尾市のメールマガジンを見てみますと、振り込め詐欺や不審者に関する情報が多く流れています。メールマガジンの配信基準と平成29年度の配信数を教えてください。
また、振り込め詐欺につきましては、新聞やテレビなどで連日のように耳にするところです。平成29年の上尾市内の振り込め詐欺件数と被害額、そして市として対策をお聞かせください。
大きな項目4点目、行財政課題についてであります。12月に市長に就任し、短期間での予算編成となったわけですが、市民生活に影響が出ないよう、行政の継続性に配慮しつつ、本予算を通常予算としたことは評価できます。平成30年度の一般会計の予算規模は、前年度比9.6億円、1.5%増の636億7,000万円と過去最高となりました。歳入では、市税が昨年度より2.3億円増で、引き続き300億円を上回る見通しとなります。
一方、歳出では、高齢化の進展により扶助費が前年度比9億円増となるなど、引き続き社会保障関係経費の大幅な増を見込んでいることが分かります。歳入と歳出の乖離である財源不足額については、主要基金を取り崩して補っている状況です。市税をはじめとする歳入の大幅な増加が見込めない中、社会保障関係経費が増加し続けることは明らかでありますが、このような状況にあっても限られた財源を有効に活用し、市民サービスの向上に努めなければなりません。そこで、お伺いいたします。
畠山市政の船出となる平成30年度予算の特徴は何でしょうか。主要基金残高の見込みはどのぐらいになるでしょうか。
3点目、財政運営上の課題と今後の対応についてお答えください。
以上で1回目の質問を終了します。
再質問については留保いたします。
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◎都市整備部長(猿田善勝) 大きな質問項目の1点目、都市基盤整備についてお答えします。
1点目、上平第二地区の街づくり協議会の活動状況などについてでございますが、当協議会は、平成22年に設立し、各事務区長及び住民の代表者計22名により構成されております。活動内容としましては、平成25年に上平第二地区街づくり計画を策定し、まちづくりのビジョンを「みんなで住みやすい上平第二地区をつくろう」と定め、この計画に基づき道路環境の改善などにつきましては、住民と市の協働により整備を進めてまいりました。また、最低敷地面積などの建築をする際のルールにつきましては、計画の実効性を高めるために、地区計画により法的に位置付ける準備をしており、来年度中には計画決定し、協議会につきましては解散する予定でございます。
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◎上下水道部長(田中貞夫) 同じく大きな質問の1点目、都市基盤整備についてお答えいたします。
1点目、上平地区の下水道整備状況についてでございますが、まず上尾市全体の平成29年度末の整備予定面積といたしましては、上尾市全体面積の約50.5%に当たります約2,300ヘクタールでございます。約18万7,000人を超える市民の方々が利用できるようになり、普及率を整備人口で申し上げますと、約82%でございます。上平地区においては、都市計画マスタープランで街づくり推進地区として位置付けられている上平第一地区は、平成13年度に事業着手し、平成24年度に整備が完了しております。また、街づくり協議会が設立されております上平第二地区につきましても、平成26年度に事業着手し、平成28年度に整備が完了しております。2点目、市街化区域に隣接する地域の下水道の整備事業についてですが、将来の下水道事業における安定的かつ持続的な経営を図る目的から、公共下水道と合併処理浄化槽との合理的で適切な区域区分を定め、平成28年12月に上尾公共下水道全体計画区域の見直しを行いました。整備に当たりましては、市街化区域から距離など一定の条件を満たす市街化調整区域の地区約56ヘクタールを今後整備してまいります。なお、整備地区の詳細につきましては、市ホームページに掲載している全体計画区域図でご確認いただけます。
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◎市長政策室長(中島英二郎) 大きな質問項目の2点目、広報について、最初の広報誌に関するご質問から答弁をさせていただきます。
まず、タブロイド判からA4判へと変更した経緯でございますが、平成12年7月号から発行されたタブロイド判は、新聞紙の約半分の大きさとなるため、読者である市民の皆様から配布しづらい、保管がしづらいなどの声が多く寄せられたことを受けまして、平成19年10月号から現在のA4判へと変更いたしました。
続いて、2点目の誌面刷新へ向けた取り組み状況等でございますが、平成19年10月のA4判化に伴い、大きく誌面を刷新して以降、「未来へすくすく!わが家のアイドルコーナー」の新設などの軽微な改訂を行いながら、平成26年5月号からは、表紙と裏表紙のカラー化を実施いたしました。これは最初に目にする表紙をカラーにすることにより、幅広い世帯に興味を持っていただけるよう改訂したもので、同時に、見やすく読みやすいユニバーサルフォントの採用や、「イチ面」、「あげたて!NEWS」などの新コーナーを開始しております。今後の誌面刷新の予定でございますが、全ページカラー化を実施するには、年間で1,000万円近い経費の増加が見込まれますことから、フルカラー化については難しいとは考えておりますが、今ある誌面を有効に使えるよう職員でアイデアを出し合いながら、より読んでいただけるような誌面づくりに励んでまいりたいと考えております。
なお、市制施行60周年に関しましては、本年4月号から来年の3月号まで、表紙に記念イラスト等を入れて、市民の皆様に周知をしていく予定でございます。
続きまして、シティセールスについて答弁をさせていただきます。質問の1点目、本市のシティセールスの今までの取り組み状況でございますが、平成28年1月に、上尾市シティセールス戦略を策定し、これに基づき各種施策を実施しているところでございます。本戦略では、「家族の夢はあげおで叶う」をスローガンに掲げ、推進体制の確立、魅力の創出、情報発信の強化を推進方策と位置付け、各課が実施している事業を積極的にPRするとともに、さまざまな独自の事業も実施しております。
一例を申し上げますと、平成27年度には本市をPRするプロモーションムービーの作成、また平成27年度から平成29年度までの3年連続で電車内PR広告の掲出、平成28年度は、JR上尾駅への情報発信モニターの設置、上尾版ことりっぷの発行、また今年度は映画館でのプロモーションムービーの上映を行ったところでございます。今後は、定住促進事業と並行しながら、平成30年度予算にも計上させていただきましたシティプロモーション冊子の作成、配布や広告掲載などを実施していく予定でございます。
続いて、質問の2点目、市の魅力を発信できるようなイベントの開催についてでございますが、残念ながら本市には、羽生市の清水卯三郎のような偉人や全国規模へと発展できるようなイベントは現在ございません。しかし、上尾市のイメージアップを図るためには、強く市外に向けて本市のアピールを行っていくことは大変重要と考えております。シティマラソンやあげお花火大会など市外からも多くのお客様が訪れる大規模なイベントをさらに魅力的なものに昇華させて、市のPRに努めていくとともに、今後は羽生市の取り組みなども参考にしながら、上尾らしいイベントや事業なども検討してまいりたいと考えております。
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◎市民生活部長(石井孝浩) 大きな質問項目の3番目、安心・安全について4点ほどご質問いただきましたので、順次お答えします。
初めに、1点目の振り込め詐欺や不審者等の犯罪情報に関するメールマガジンの配信基準でございますが、市では平成28年2月に上尾警察並びに上尾市区長会連合会との三者において、上尾市犯罪情報の住民提供等に関する協定を締結いたしました。本協定に基づき上尾警察から情報をもとに安心・安全メールを配信しております。
次に、2点目の平成29年度配信数につきましては、2月末現在で振り込め詐欺に関するメール配信が33件となっており、そのほか防災無線を活用し、注意を促す放送を20回行っております。それ以外の不審者、変質者に関する情報は62件配信しております。
次に、3点目の市内における振り込め詐欺の件数及び被害額でございますが、埼玉県警によりますと、平成29年中44件発生、被害額は6,712万円と発表されております。
次に、4点目、市の対策といたしましては、ただいま申し上げましたメールマガジンの配信や状況に応じて防災無線の放送を行うほか、市ホームページやテレビ埼玉の文字放送などを活用して、被害防止のための周知を図っております。
また、年金支給月には各地域の上尾市防犯推進員の方々の協力により、金融機関においての声かけなどによる被害防止キャンペーンを実施し、注意喚起を促しております。
以上、答弁とさせていただきます。
P.88
◎行政経営部長(駒﨑久志) 大きな質問項目の4番目、行財政課題についての中で、平成30年度予算と財政課題について3点ご質問いただきましたので、順次お答えいたします。
初めに、畠山市長の30年度予算の特徴についてお答えいたします。平成30年度予算につきましては、畠山市長就任後、初となる予算でございまして、本年1月に新たに策定した平成30年度3か年予算編成における基本方針を踏まえ、「みんなが輝く街、上尾」の実現に向け、5つの主要事項に重点を置いて編成したところでございます。この基本方針には、「みんなが輝く街、上尾」の実現に向けた取り組み方針として市長公約の各項目を掲げ、速やかに実行することとしたところでございますが、特に未来への投資として、子育て環境や教育環境の強化、充実に重点を置いて編成いたしました。
本市の10年先、20年先を見据えた場合、安心して子どもを産み育てることができる環境を整えるとともに、これからの上尾市を背負って立つ人材を育成することは極めて重要であり、定住促進という観点からもこれらの分野に積極的に予算を配分した点が大きな特徴でございます。
次に、主要基金の残高見込みについてお答えいたします。まず、平成29年度の状況について申し上げますと、当初予算では主要基金を32.3億円取り崩して編成したところでございますが、本年度の最終的な歳入歳出予算額を調整した結果、年度中の基金の取り崩しを一切行う必要がなくなったことから、3月補正予算におきましては、この基金繰入金を皆減するとともに、今後の公共施設等の更新を見据え、公共施設整備基金に3.4億円積み増しいたしました。この結果、平成29年度末の主要基金残高は、前年度比3.4億円増の67.4億円、またこのうち財政調整基金の残高は39億円と年度末において標準財政規模の1割程度とした財政規律ガイドラインの目標を堅持したところでございます。
一方、平成30年度予算では、主要基金を31.5億円取り崩して編成したところでございまして、現時点での主要基金残高は35.9億円となる見込みでございます。安定した財政運営を行う上で、基金の活用は大変重要であることから、今後も基金残高を念頭に置いた財政運営を心がけてまいります。
次に、財政運営上の課題と対応についてお答えいたします。国が示した平成30年度地方財政対策では、安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額について、平成29年度の水準を下回らないよう対策が講じられておりますが、この一般財源総額の確保のルールは、平成30年度までのものでございまして、31年度以降の地方財政のフレームは、現状よりも厳しいものとなることも想定されるところでございます。
一方、本市におきましては、生産年齢人口の減少により市税収入の大幅な増加が見込めない中、高齢化などによる社会保障関係経費の増加や公共施設インフラの大量更新といった課題への対応など、財政運営上は楽観視できない状況でございます。これら課題に的確に対応しつつ、継続的かつ安定的な行政サービスを提供していくためには、さらなる財政基盤の強化を図ることが不可欠でありますことから、行政改革を不断に実行するとともに、財政規律ガイドラインに沿った中長期的な視点を持った財政運営を行ってまいります。
P.89
◆29番(深山孝議員) 基盤整備について要望いたします。
上平第二地区まちづくりは、私が議員になる前からの懸案事項で、長い時間をかけて合意形成に至った経緯があります。多くの住民の方々の協力、職員の皆様の献身的な支援によって今日があることを忘れてはおりません。この場をおかりして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
広報について再質問いたします。畠山市長にお伺いいたします。効果的にシティセールスを進めていくには、市が一体となって積極的に魅力を発信していくことが必要不可欠であると考えています。このような中、近年は企業の社長や自治体の首長などが自ら宣伝マンとなって、PR活動を行うトップセールスがたびたび注目を集めています。福島市の小林市長は、キャラバン隊を組んで北九州市を訪問し、地元産の桃「暁星」をPRしたり、大分市の佐藤市長は、福岡市のショッピングモールへと足を運び、エプロンをつけて地元産の野菜を自ら調理し、PRしたりするなど、その手法はさまざまですが、市のトップ自らが先頭に立つことでより積極的にシティセールスに取り組む気運が高まることは間違いありません。上尾市は、昨年たび重なる事件や事故で全国にマイナスのイメージを発信してしまいました。昨年12月の市長選挙を経て新たに畠山市政が誕生し、まさにこれから上尾市は再出発をすることになりますが、畠山市長のトップセールスに関するお考えをお聞きいたします。
P.89
◎市長(畠山稔) 深山孝議員の再質問にお答えいたします。
私は、上尾市のさらなるPRのため、トップである私自らが積極的にトップセールスに挑戦し、この気運を高めてまいる覚悟でございます。ぜひ深山議員をはじめ多くの議員の皆様にもご協力をいただきまして、市民の声をお聞きしながらシティセールスを効果的に進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
P.89
◆29番(深山孝議員) 要望いたします。上尾市は、かつてないほどのダメージを受けています。やることなすこと全てが不祥事と関連づけられ、否定されています。これは、現在進行形であります。考え方を180度転換してください。畠山市長が誕生し、新しい上尾市に生まれ変わったことをアピールできる絶好の機会と捉えれば、広報活動は有力なアイテムになります。「広報あげお」の誌面一新も手段の一つです。広報誌は、情報が記載されているだけでは市民に読んではもらえません。そこにはインパクトが必要です。資料配布した「広報はにゅう」は、タウン誌のような読みやすさに加え、生活さの息遣いも感じ取れる構成になっています。さすが埼玉県の代表になるだけのことはあります。経費がかかるとの答弁ですが、劇的に変わった上尾市を印象づけることができるのであれば、期間を区切ってPRするのも妙案かと思います。配布した資料にある小・中学生がプレゼンテーション能力を競う全国プレゼンテーションコンクールin羽生は、当日私も行きましたが、小・中学生が自分の住む自治体をPRするイベントで、大人たちが気づかない自治体のいいところを発掘し、発表する場になっていました。本年1月21日が第1回目で、会場が羽生市でした。この企画を上尾市内会場で開催できればおもしろいイベントになると思います。
また、市長自らが行うトップセールスは、シティセールスへの気運を高め、大変有効な手段となります。ぜひ市のシティセールスの旗振り役として、現場の最前線で積極的なPRをお願いいたします。この件をぜひ実現していただきたく要望いたします。
安心・安全について要望いたします。連日のようにテレビやラジオで怪しい電話には合い言葉をと啓発がなされています。私だけは大丈夫と根拠のない安心感もあるようです。上尾市民が事件、被害に遭わないためにも、あらゆる機会を通じ情報提供を行ってください。
行財政課題について要望いたします。公共施設整備基金に3.4億円の積み増しを行ったこと、厳しい財政状況の中、基金に積み増しを行ったということは高く評価できます。今後、これまで整備してきた公共施設、インフラの大量更新に的確に対応しなければなりませんので、引き続き公共施設整備基金に積み増しを行っていく必要があると考えています。
また、平成31年度以降の地方財政のフレームは、現状よりも厳しいものとなることもあり得るとのことです。今後も基金に積み増しを行うなど、財政基盤を確立し、安定的な財政運営を行っていただきたく要望します。
最後に、私の好きな作家で畠山市長のふるさと、岩手県が生んだ宮澤賢治の有名な詩を朗読し、私の一般質問を終わります。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
ありがとうございました。
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